2024年08月06日

FGO9周年に寄せて、或るいはただの恨み言

批判的な内容になりますので、不快に思われる方は見ないようご承知おきください。



■8/9 2回目のディレクターレターを受けて

新規アペンドスキルに関するディレクターレターが更新されました。
正直14日の生放送まで何のアクションもない、下手をすれば14日も既に出ているディレクターレターの内容から
何の進展もないことを想像していたので驚きました。

発表された内容の要約は下記の通り

@絆上昇時のコイン獲得量を見直し、15まで上げることで最大240枚のサーヴァントコインを追加で獲得できる様にする。
これにより、新規アペンドスキル獲得のために追加でのサーヴァント召喚は不要になる
A1の対応により追加召喚が無駄になってしまうため、既にコイン目的での追加召喚(星5の場合6体目以上)を
新規アペンドスキル発表以降に行った
プレイヤーへの補填として同一レアリティサーヴァントに使えるコインを配布する
B新規アペンドスキル発表以降に無記名霊記を使ってコイン目的での交換を行ったプレイヤーに対しては無記名霊基を補填する
Cこれらの実装には数か月を要する(一部なのか全部なのかは不明)

かなり踏み込んだ対応です。

もともと新規アペンドスキルの追加は追加でのサーヴァント召喚による売上獲得が、それだけではないにせよ、目的としてあったはずです。
今回の対応はそれを全て白紙に戻す内容です。

あえて言うなら
「7体目以降が求められないなら、福袋やデスティニー召喚で他のサーヴァントを選択したかった」という方や
「コインではなく石を返してほしい」という方、
「数か月も待たされたら、その間の使い勝手に不公平が生じる」という方もいると思うので
あらゆる不満が解決されたわけではありませんが、
おそらく殆どの方はこれで手打ちとして解決に向かっていくと思います。

嫌な言い方をすれば、先日の石配布から少しずつ生じていたプレイヤー間の分断、
「これだけ対応してくれたんだからもう許してやれよ」派と「まだ不満は解決していない」派の
軋轢がネット上では増え、後者がマイノリティとしてかき消されていくことが想像できます。

いずれにせよ、今回の対応においては殆ど誰も得をしませんでした。
ユーザーは120個の石と一部コインや聖杯の還元を受けられますが、
今回主に被害を被ったヘビーユーザーがこれまで費やしてきた費用や労力と比較すると正直どうでもいいような内容です。
全く影響を受けていないライトユーザーは唯一得をしていますが、その程度です。
そして運営は、石を配布し、元に戻すための対応に大きな工数を割き、何よりユーザーの信頼を大きく失いました。

先日時点では「今後コインが余ったとしても使えるか?」ということを記載させていただきましたが、
今後何の補填もなくコインの要求数だけが増える可能性は低くなったと考えています。

今回のアップデートによる補填や、ユーザーからの信頼毀損は運営にとっても想定を超える大きなダメージだったはずで、
だからこそこの異例の素早いアナウンスが行われていると思います。
今後どのような売上向上のための拡張をするにしても、今回の大炎上とその火消しにかかったコストの問題はついて回るでしょう。

ただしそれは「合理的に考えればそうするはず」という話で、
「運営ならばそんなことはしないはず。プレイヤーの側に立ってくれるはず」という心情的な信頼ではありません。

今後、10周年に向けてどういう形で運営が信頼回復を図っていくのか注視しつつ
サーヴァントコインに対するあれこれについて記載するのはこれを最後にしようと思います。

改修が間に合わないままボックスガチャとかやって
「アペンド5アルクだと周回楽です」みたいな煽りが出ないよう、切に祈ります。



---------------以下は8/6 初回ディレクターレター時の内容---------------

■最前線のプレイヤーに砂をかけるアップデート

FGO9周年、本来は新規サーヴァントやシステム改修で毎年盛り上がる一日。
その日、おそらくはリリース以来初めて周年イベントを見逃した。
前日に発売されたTCGのFGOサインカードを集めるために駆けずり回っていたからだ。

財布の中身を軽くする代わりに一通りのサインカードを集めて満足した帰り道。
嫌なキーワードが飛び込んできた。


新規アペンドスキル


―――え?


■問題点の整理

起きたことは大まかには以下の通り。
  • 新規アペンドスキルが追加され、サーヴァントコイン240個を追加で必要とする
  • 新規アペンドスキルは、キャラによっては大きく使い勝手を変えるほどの影響がある
  • 既存アペンドスキルやLv101以上への強化に使ったコインは補填されない
  • 不足したコインを入手するには星5サーヴァントで最低2体、追加で召喚する必要がある
  • 聖杯鋳造において、アペンド開放・Lv120完了時点で「強化余地あり」の表示を消していた。それを信じて鋳造に使用したコインは補填されない

これにより何が問題として発生するか。
深刻度の高いと思われるものから並べたのがこちら。

@聖杯鋳造で「もう使い道がない」と受け取られるような表記をしていたにも関わらず、追加でコインを必要とし補填もされない
A既存アペンドスキル解放やLv120への強化などを既に完了している熱心なプレイヤーほど、追加でサーヴァントを召喚しないと新規スキルを取得できない
B復刻が当分期待できないサーヴァントや配布サーヴァントなどについて追加召喚の機会が不明
Cフル強化までの必要召喚数の増加
D後述

発表翌日にはあまりのネガティブな反響からかディレクターレターが公開され
@については使用したコインの変換(ならびに聖杯鋳造の利用有無による不公平解消のため聖杯の配布)
Aについてはアペンドスキルの切り替え機能
での対応予定が発表された。

@については課金要素であるサーヴァントコインの処分を促すかのような表記をしていながら
後出しで用途を追加し「強化余地あり」に戻したことで消費者庁に相談すべき内容ではないか、との指摘も相次いだが
この対応で完全に解決をしたと言っていい。
一方A以降については完全な解決が出来ていない。

そのためA以降について詳しく整理してみる。


A既存アペンドスキル解放やLv120への強化などを既に完了している熱心なプレイヤーほど、追加でサーヴァントを召喚しないと新規スキルを取得できない

もともと、このアップデートにより被害を被ったプレイヤーにはいくつかのパターンがあった。

A.既存アペンドスキルの開放にコインを使用し、新規アペンドスキル用コインが不足している
B.LV101以上にレベルアップしてしまい、新規アペンドスキル用コインが不足している

いうまでもなく、AもBもキャラクターを限界まで強化しようと情熱や資金をかけているプレイヤーだ。
そのようなプレイヤーほどコインが不足しており、いざ有用なスキルが出た時に追加召喚を強制されるというのは
「先行者が泣きを見る」「頑張ったものほど馬鹿を見る」というやってはいけない施策だっただろう。

Aのパターンについては今後アペンドスキルの付け替えにより救済がされることが予定されている。
ただしBについては、残念ながら現時点では救済対象外となる。

もともとアペンドスキルはS2:NPチャージを除きほとんどのサーヴァントにおいて有用ではなかった。
そのため、S2だけ開放するか、場合によってはS2も開放せずLv120を目指してコインを使用したケースも少なくないだろう。
これにはいわゆる完全体(Lv120、すべてのアペンドスキルがMAX、そのほか諸々最大強化)を目指している途中のキャラクターも含まれる。
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※かつて完全体だったメルトリリス


ただし、追加されたアペンドスキルが強力なため、新スキルとの二者択一であればLv101以降の強化を選ばなかったキャラクターもいる。
これらについては現在、一切対応の予定がアナウンスされていない。
IMG_6715.jpg
※Lv120を途中まで進めていたドラコー

また、今回先にアペンドスキルを開放してしまった後でスキル付け替えが発表されたことにより、新しく被害を被る層が誕生した。

C.Lv101以上にすることを諦め、既存アペンドスキルに加えて新規アペンドスキルを取得した

例えばもともとすべてのアペンドスキルが開放されており、今回のアップデートでLv101以上の強化を諦め
新規アペンドスキル取得を優先したケースだ。
新規スキルの有用性を考えれば当然発生するケースだが、後からアペンドスキル付け替えが発表されたことで
「新規アペンドスキル+LV101以上の強化」を選択したかったのに「すべてのアペンドスキルを開放」してしまったキャラクターだ。
この場合も残念ながら対応予定はアナウンスされていない。

加えて、ディレクターレターの表現ではどこにかかるか不明瞭だが「開発には数か月が必要」と記載されており
Aのパターンへの救済が数か月単位かかることも危惧される。
情熱をもって出来ることを最大限やっていたが故に数か月不便を強いられることは率直に言ってストレスだ。


B復刻が当分期待できないサーヴァントや配布サーヴァントなどについて追加召喚の機会が不明

FGOではPUの頻度は決して高くない。
年単位で時間がかかることもざらであり、PU以外では福袋などで低い確率を狙うのも現実的ではないだろう。
にも関わらず追加召喚をしないとサーヴァントコインの入手が出来ない。

絆がまだ途中までしか上がっていないということであれば絆15まで強化することにより獲得は可能だが十分量ではない上に、
総要求量には届かないという問題がある。
配布サーヴァントに至ってはガチャによる召喚自体が不可能であるためイベントの復刻を待つしかない。
が、もともとサーヴァントコインの配布自体もキャラによっては年単位で待たされたという経緯があり
2025年に第2部終章を迎えるというがそれまでにPU/復刻が間に合うのかは不透明だ。

IMG_6689.jpg
※残すは絆のみで完全体になるはずだった両儀式


Cフル強化までの必要召喚数の増加

こちらについては、あくまで自己満足の世界として完全強化に必要な召喚数が増えただけの話ではある。
とはいえ、ゲーム内では宝具5までしかないのも関わらずサーヴァントコインのためだけに
星5でも最低宝具8が必要とされるのは心情的に許容しがたい。
星4や限定星3などでは必要数が膨大な数となり、星5以上に完全強化が難しいという逆転現象が起きている。






Dそしてこれからのこと


これまでの話を踏まえて。
それでもある人は溢れんばかりのキャラ愛で、あるいは幸運により追加のサーヴァントを召喚するかもしれない。


そうして得たコインを本当に使えるだろうか?


今度はもっと有用なスキルが来るかもしれない。
今度はレベルの更なる上限解放が来るかもしれない。
キャラの性能ではなく、別の側面から欲しくなるような要素を実装するかもしれない。
コインと引き換えに。

次は宝具10を、あるいはそれ以上を求められたときどこまで付き合えるだろうか。

この不安に対する唯一の解決策はプレイヤーと運営の信頼関係に尽きる。
運営は無茶な変更をしないはず。きっとプレイヤーに寄り添ってくれるはず。
私も、これまでであればそう信じていた。運営の合理性を、あるいは良心を。
だが9年目にしてFGOは残念ながらそれを一度実際に裏切った。
今後の対応方針においてもそれらを完全に修復できるような対応はいまだ提示されていない。

だからこそ私は、今回の騒動をこれまでの、リリース初期の惨状と比較してもなお最悪だと思っている。

この騒動を経ても運営を信じてついていける人は、あるいは課金のゴールポストがずらされても気にしないという人は
どれくらいいるだろうか。
相当にお金と時間をつぎ込んできた層に属すると思っているが、私自身はもう無理だ。


■終わりでも見てみないと

FGOは来年に2部も完結を迎えるという。
その先がどうなるか分からないが、今回のスキル追加や動く金額を思うと2部よりも先、FGOが続く可能性は高いように思う。

それまでに信頼関係が回復することはあるのだろうか。
終わりを気持ちよく迎えられるだろうか。
果たしてその先についていく気持ちになれるだろうか。
不安になるほどに、今回の件は暗いものを落としてしまった。

奇しくも2部完結予定の来年から見て丁度20年前
Fate hollow/ataraxiaにおいて

なにか、新しいもののために。終わりでも見てみないと

そう言って、Fateは一度綺麗にその幕を下ろしたはずだった。

これまで多くの作品で。インタビューで。
終わりの美学が一貫して語られていたと思っている。
だからこそどうか長かったFGOの旅が綺麗に終わってほしいと思う。

果たして10周年はどんな気持ちで迎えるのだろうか。



あらかじめ天井前提で課金もしておいて、本当に楽しみにしていたんだけどなあ。
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posted by ポワロ at 04:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする