■一寸先は闇だとしても
ちょっと真面目な話。
以前にも書いたことがあるのですが、身内と終活について話す機会があったので整理も兼ねて。
終活の定義も人によってまちまちで、遺言書など法的なやり取りをきちんと進める方もいれば
死ぬまでにやりたいことリストだけ作る人もいるかと思います。
とはいえ、年齢的にも健康的にも差し迫った終わりが見えていないうちから遺言書とか作り出すのも
ハードルが高いので、まずはエンディングノートを作成するあたりがおすすめです。
別に普通の大学ノートでもいいのですが、書くべき内容がある程度まとまっているのと、
何より「第三者が認識しやすい」という点で市販のエンディングノートを使うのが良いと思います。
いざと言う時、本棚のノートを1冊1冊確認している余裕はないので
背表紙だけで一目で内容がわかることは重要。
■まとめておいた方がいいことリスト
一般的な会社員を想定。
自営業なんかだともうちょっと面倒くさい。
@財産リスト
最重要。
銀行口座はどこにあるのか。
個人年金や株式の有無。
全ての書類を完璧にファイリングしてるような人はともかく、そうでないと財産の有無を調べるのも一苦労なので、
どこにあるかだけでも情報がまとまっていると助けになります。
セキュリティ上もそうですが
死亡後に相続手続きを経ずに勝手に引き落とすとトラブルの原因にもなるため、暗証番号やパスワード等は不要。
存在することが分かっていれば問い合わせて解決できます。
もし誰かにお金を借りているなどあれば負の財産もきちんと書いておくと
後で遺族が動揺しなくて済むと思います。というか返しておきましょう。
A葬式にまつわる意向
費用はどれ位を想定するか。
誰を呼ぶか。
お墓はどこに入れるか。
遺影用の写真なんかも添付しておきたいです。
普段から友達と写真撮ったり旅行に行ったら自撮りするような人はいいんですよ。探せば何とでもなると思うので。
自撮りが嫌いで写真なんか残さないという人こそ、いざと言う時遺影の写真がなくて周りが困らないよう
証明写真機でいいので一枚とって添付しておくといいと思います。
5年10年に1回更新すれば十分。
私の場合、用意しておかないと小学校入学あたりまで写真遡っちゃうんじゃないかな・・・
葬式に関しては、時折やたらと口だけは出す人がいるので
こだわりがない人ほど明言しておきたい。
故人の意思に勝る印籠なし。
また住所録を紙でつけてる人も今どきあまりいないと思うので、亡くなると
あなたの交友関係がほとんど分からなくなってしまいます。
遺族からすると後で亡くなったのを知って訪ねてこられるのも対応がしんどい、
とはいえ誰に連絡が必要かわからない、となるので
連絡してほしい人がいる場合は連絡先をまとめておくと吉。
いまどきはFacebookなんかで投稿するのも楽かもですね。
B相続について
ものすごく資産があったり親族が険悪とかでなければ、法的に有効な形での遺言状までは不要かもしれませんが
「法定通りに相続してほしい」という一言だけでも残しておくとよいかと思います。
亡くなった後、残った人間の間で「誰が面倒を見た」など変な形で揉めないように。
あなたの家族が揉めなくても、その夫や妻、甥や姪、さらにその他の関係者で変なことを言い出す人が出ないとは限りません。
やっぱり故人の意思表示が強い。
ほんとに心配な場合はちゃんと遺言書を残しましょう。
Cエンディングノートの存在自体の共有と更新
ノートに書くことではなくて別途やっておくべきこと。
せっかく必要な内容をきっちり揃えていても、誰も気付いてくれないと意味がありません。
人が亡くなった後、特にそれが突発的だった場合、周りも混乱しており落ち着いて周りを見渡すことができないので
「いざと言う時エンディングノートがあるので見てほしい」だけでも関係者に伝えておくとよいかと思います。
また、実際書いてから何年、何十年と時間がたつと思われるので定期的に内容を見直して
「2021年確認」などすると、これが最新の情報かどうか遺族が迷うことが減ると思います。
■元気なうちに、自分で書くしかない
死んだ後の整理って、いよいよ余命いくばくもなくなってから、と考える人もいますが
自分ではまだまだ生きれるつもりがぽっくり逝くこともあるわけで。
そうでなくても、病気になっていよいよ最後が見えてきた、という状況で
周りの人間は「何かあった時のために書いて」とはとても言えません。
だからこそ、明日に何の不安もない今、自分で準備をしておくことが必要だよね、みたいな話をした日曜日。